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(75)住吉 独鈷久寿餅(とっこくずもち) [甘味処「ごほうび」]

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川崎大師の山門前すぐに店舗を構えるこちら。

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参道の並み居る久寿餅店の中でも、抜群にお客さんの量が多いです。

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だって列が17番まであるんですよ(この日は16番まででした)。
おかげでそこまで待つこともなく購入できましたが。

そうそう。
「くずもち」って言っても、葛粉でできた透明なゼリー風の「葛餅」でなくて「久寿餅」。
これ、ここ川崎大師近辺が発祥のお菓子なんだそうで。

箱の中に入っていた商品紹介に、「久兵衛」という人のことが書いてありました。

ある日、蓄えていた小麦粉が雨にさらされてしまい、
捨てる訳にもいかず仕方なくこねて樽に放りっぱなしにしていたら、
翌年になって発酵したでんぷんを偶然見つけたそうじゃ。
それを蒸したらあらあら不思議。
見たことのないお餅のようなものができあがったそうな。

それが「久寿餅」だそうです。
「久兵衛」さんの「久」と、長寿を願っての「寿」をくっつけて「くずもち」となったそうですよ。
どうりで「葛餅」と似ても似つかぬ妙な食べ物な訳です。

前に「船橋屋」という、亀戸天神に本店を構えるお店のくず餅をいただいたことがあったんです。
でもどうもこのブログには上げていなかったようで。
というわけで関東の「くずもち」、初登場です。

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ボクは2枚入り(2~3人分)を750円で購入しました。
なんだかこれだけでもずっしり重みがあります。
「20枚入り」ってどんな重いんだよ。
でも、並んでいる限りでは結構大量購入される方がほとんどでした。

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で、包装紙にはこう書かれておりました。

「開封後は即日お召し上がり下さい。」

・・・うーん、さすがに一人暮らしでは無理じゃないか、これは。

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しかしながら、包装を解きますといい感じでそそられる意匠の箱が出てまいりました。
これならいけるかも。

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そんな淡い期待は、蓋を開けた瞬間、見事に砕け散りました。
重いだけのことはありました。
1枚がA5版くらいあるじゃないですか!?

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そうは言っても、生菓子ですから、
美味しいうちにいただきましょう。
この日はほうじ茶を淹れました。
こちらは何気に三角の切れ目が入っておりまして、
包丁要らずで誰でもこんな感じに盛りつけられます(これが上手とは到底言えませんが・・・)。

上述の通り、一度経験済みの食感ですので、とんでもない驚きは当然ありません。
ですが、やっぱりどう考えても、なかなか謎のお菓子だよなー、と改めて感じる次第で。

餅のように伸びるでもなく、でももちもちとしていて。
で、同じ音の「葛餅」のプルプル感とはまた違う、むしろ「ムッチムチ」って食感でしょうか。
発酵させたものなので多少酸味を感じるかもと書かれていましたが、
ほとんどそういったものは感じませんでした。
一応「粉もの」のはずですが、粉っぽさや小麦粉の「粉の味」というのは一切ありません。
なんでしょうね、この感じは・・・
・・・こんにゃくと名古屋のういろうとの中間って感じですか。食感もお味も。
これだけプレーンでいただくのは、なかなか厳しめかなと。

しかしながら、黒蜜ときなこをかけましたら、あら不思議。
透明感のある「葛餅」よりも、むしろこってりした食感のこちらのほうが、
黒蜜ときなことのコンビネーションが上にくるように、個人的には感じます。
きなこは違うでしょうが、黒蜜はもしかしたらお店のオリジナルなのかな。
黒蜜らしい香ばしさはあれどさっぱりとして雑味のない上品な甘さで美味しかったです。
今回気付いたんですが、久寿餅自体はもちろん、
黒蜜もお店それぞれの味があるのかも知れませんね。

さて。
「開封後は即日お召し上がり下さい。」の件ですが。

やはり2枚を一日で平らげるのは無茶ってもんで。
しかし想定外にペロリといっちゃいまして、
日曜日には1枚と1/3をいただいちゃいました。
そして翌日には残りの2/3を、お味もほぼ変わりなく無事いただけました。
冬場だからかも知れませんが。
となると、暑い時期は手が出にくいなぁ。
冷蔵庫は固くなり味も落ちるのでお勧めしないとのことなので。

この量で750円だったら相当お得感もありますね。
だってヘタしたら、ケーキ2つでこれを平気で超えますからね。
それに脂分たっぷりのケーキよりも断然ヘルシー。
不思議な食べものという印象は相変わらず残りますが、
いいものを考え付いて作ったもんだなーと、ちょっと感心しちゃいました。
そしてこれを最初に食べようとした人、そしてこれを作った久兵衛さんの冒険心もまた、
褒め称えるべきなのでしょうね。
なにしろ川崎大師の名物に、そして関東各地の寺社町の名物にまでなったんですから。
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