秋・温泉津散策(島根県大田市温泉津町) [俺の山陰]
世界遺産(文化遺産)として登録された「石見銀山遺跡とその文化的景観」に含まれている
温泉津地域は、古くから湯治場としても著名な場所だ。
この秋、今まで近そうで遠かったこの地を訪れることができた。
温泉津は銀山の積出港として、また北前船の寄港地として栄えた。
今は一本釣り漁の基地港である。
出雲方面から国道9号線でおよそ2時間。
運転疲れ、もちろん日々の疲れをまずは癒したいと、
温泉津温泉の外湯「薬師湯」にて、色んな意味で濃い湯浴みを楽しむ。
休憩室からの街並み。
歓楽街のない、もちろんいい意味での、鄙びた風情だ。
温泉ですっきりしたところで、もう一度海岸のほうへ。
港からもう少し北に向かい、小さなトンネルを抜けていくと、
その昔、16世紀頃に銀の積出が行われた港である「沖泊」がある。
再び温泉街のほうへ。
内藤家屋敷を始めとする土蔵の風景。
車1台がやっと通れるくらいの通りは、どこかに車を駐車したうえで散策したほうがいい。
少し歩くと、山肌に貼り付くように立っているお社を見つけた。
龍御前神社。北前船の守り神であったとのこと。
足許には気を付けないといけないが、この岩肌に建つ旧本殿に行くこともできる。
旧本殿を覆うように迫り出す岩が、この神社の名前の由来のようである。
ここから望む街並みも美しい。
薬師湯辺りから細道を入りしばらく歩くと、
恐ろしい程急勾配の階段の上に、金刀比羅神社の鳥居があった。
手すりのある階段は見えている範囲だけ。
お社を見ようと登ってみたが、あまりにも険し過ぎて早めに退散。
この細道を振り返ると、この風景だ。
もう一つの外湯「泉薬湯 温泉津温泉元湯」。
現代的な解説と、歴史を感じる成分表示。
この元湯につながって建つのが、医王山温光寺。
元湯の源泉はここから湧き出ている。
温泉津温泉は、原爆症の治癒のために湯治した方々も多かったという。
いまだに、広島方面からのお客も多いようだ。
道端には、秋の草花がまさに花盛り。
車では気付けない小さな風景だ。
温泉街から少し離れた場所に、
やきものの里という、普段使いの温泉津焼の窯元や展示館がある。
巨大な登り窯などを訪れてみるのも、またよい。
港で釣り、お気に入りの器を探し、そして温泉でほっこり。
時がゆっくりと流れる街に身を委ねるのもいい。
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