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明日を繋ぐ縁 ~ 一畑電車大社線 出雲大社前駅 [街小説]

 赤いハンカチーフを右手でハラリと宙に舞わせ、無数のトランプがシルクハットから華麗に舞い上がる、はずだった。
 シルクハットが左手から僅かにずれ、トランプは無残にバラバラと床に落ちた。空席の目立つ客席から聞こえた中年男性の失笑が、散らばったトランプを拾う背中に突き刺さった。
 「もう呼んでもらえないかもな・・・」
 先輩がバックステージでぼそっと呟いた。
 そうかもな、と自分でも感じた。

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