中森明菜「MOONLIGHT SHADOW-月に吠えろ」

カテゴリ「My Favorite 中森明菜」では、
ボクが小さい頃から、そして現在でも最も好きなシンガー、
中森明菜の楽曲を、紹介していこうと思う。

「MOONLIGHT SHADOW-月に吠えろ」
作詞：TOSHIHIKO TAKAMIZAWA　作曲、編曲：TETSUYA KOMURO
1996年8月7日発売のシングル曲。

同時期のヒット曲は、
SMAP「青いイナズマ」、PUFFY「アジアの純真」、
シャ乱Q「涙の影」、Mr.Children「マシンガンをぶっ放せ」、
藤井フミヤ「Another Orion」、GLAY「BELOVED」、
安室奈美恵「You're my sunshine」、「SWEET 19 BLUES」、
大黒摩季「熱くなれ」、玉置浩二「田園」等々。
小室サウンド、ビーイング系アーティスト全盛期。
その中で、ミスチルやGLAYなどのバンドサウンドも絶好調。
ミリオンセラー連発でCD業界が最高潮の時代だ。

その時代に、小室哲哉に楽曲提供、またアレンジも依頼してできた楽曲が、
この「MOONLIGHT SHADOW-月に吠えろ」。
セールス的には、中森明菜というシンガーが、
当時の時代には既に過去の存在となっていたこともあり、
あまり振るわなかったものの、なかなかの楽曲なのである。

安室奈美恵、trf、華原朋美などに提供する小室サウンドは、
パフォーマー、シンガーのイメージに合うように、というものではなく、
小室哲哉のやりたいことをそのまま出すような、
いかにも小室カラー全開の楽曲ばかりであった。
しかし、この明菜の曲は、自己主張の強い小室その人が、
中森明菜というシンガーのイメージに「寄せて」作成した、
彼女の年齢、当時の声質にぴったりと合致した、
当時の小室サウンドにしては異質な、渋くダークでクールな、
それでも小室サウンドらしい、疾走感溢れるナンバー。
そして、何より、歌詞はTHE ALFEEの高見沢俊彦に依頼したというのも大きい。
小室の曲に、尖りまくった高見沢の詩が見事にマッチした、佳曲。

そして、どのような難曲であっても、明菜は見事に、明菜色に染めてしまう。
小室哲哉の曲を歌ったどんなアーティストであっても、
この「MOONLIGHT SHADOW-月に吠えろ」は、誰も歌いこなせない。
かつて、「安室ちゃんみたいな曲なんて、私はとても歌えない。」と言っていた彼女だが、
なにをなにを。自分の曲としてしっかりと消化し、
歌いこなせているではないか。
それもこれも、小室哲哉氏が、明菜のイメージに寄せて書いてくれた曲だったから、
というのもあるのだろうけれど。

この曲は、中森明菜の曲の中でも、
いや、あらゆるアーティストの曲の中でも、カラオケで歌うには相当難しい曲の一つだ。
小室の曲に、小室の歌詞という組み合わせの曲ならば、もっと歌いやすいはずだが、
この曲はそうではない。
小室サウンドに乗りながら、高見沢の個性の違う歌詞の言葉を、
滑舌よくメロディアスに歌いこなすのは、容易ではない。
また、クールに決まれば格好いいが、ヘタすると淡々と歌って終わっちゃった・・・
なんてことになりかねない。
その難しさは、是非ご自分でチャレンジして、体感していただきたい。

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