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GIANT KILLING(ジャイアント・キリング) ~自分が諦めさえしなければ、自分の人生はきっと変わる~ [My Favorites]

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ツジトモ氏著、原案・取材協力 綱本将也氏の共作といった感じのマンガでしょうか。
週間モーニングに連載されており、現在までに単行本は38巻まで出ています。
現在のサッカーマンガとしては最もポピュラーなのでしょうね、
昨年末の天皇杯のイメージキャラクターが、このマンガの主人公である達海猛でした。

ボクがこのマンガにハマった最初のきっかけは、
NHK Eテレで1クールのみアニメ放映されたのを観たことです。

精神的に相当やられていた時期に、ふとぼんやりとチャンネルを合わせた瞬間、
突然雷に打たれたような衝撃を受けました。
番組のラストを見届けた直後、
当時出ていた最新版の18巻までを、
人生初の大人買い、しかもマンガの大人買いをしちゃいました。
読み進めて知ったのですが、アニメ化されたのは1巻から9巻の中盤くらいまでです。
恥ずかしながら、読んで何度も泣きました
(あくまでもボクは、ですからね)。

元々ボクはこのマンガの画のタッチは嫌いな部類だったんです。
だってそれまで好きだったのは「ドラえもん」とかジブリ作品ですから。
それに子供時代にそのドラえもんでさえ、単行本は飛び飛びで数冊買ってもらっただけです。
つまり、マンガが好きだとかサッカーが好きだとかそういう次元じゃなくて、
ストーリーに完璧にやられたわけです。

このマンガの主人公は、
将来を嘱望されながらも怪我によってキャリアを絶たれた、
元プロサッカー選手である30代後半のJリーグ監督です。
つまり、年齢的に当時の自分と恐ろしいくらいにリンクしたんです。

そしてもう一人の主人公であるルーキー選手もまた、
ボクと同じくここ一番のところでヘタレ。
その他のメンバーも、何かしらの問題を抱え悩む者ばかり。
サッカーマンガだからといって「サッカーはよく分からないから・・・」と
尻込みするのは勿体ありません。
皆さんに似ている登場人物が、このマンガの中にきっと見つかるはずですから。
そして共感できるだけでなく、思いがけない「気付き」もこの中から見つかるはずです。

先程も書いたように、
このマンガで特筆すべき点は主人公がサッカーチームの「監督」であること。
大雑把な言い方ですが、
「リーダーとしての在り方」「チームを統率するということ」がここに見えます。
そしてそれらを語るための言葉や考え方、視点が全く説教臭くないことも特徴でしょうか。
主人公の監督がとんでもなく軽いキャラクターっていうのも、
そういう作風にするがための手段なのかも知れません。

この達海猛という監督。サッカー以外はとにかく雑。
ただしサッカーに対してだけはとにかく真剣で天才的。
フットボールというスポーツに対しての敬意も半端ありません。
そして部下とも言える選手たちに対する接し方の本気度も凄いです。
言い方や態度はこれまたとんでもなく軽くてテキトーなのに、
発する言葉は相手の痛い致命的なところを思いっきりザクッと鋭く突き刺します。
観察眼が冴えているんでしょうね。
ボクは正直、こういう人間になりたいという目標にしています。
これくらいの肩の力の抜けた、それでもやる時はやる。そんな感じ。

先程様々な登場人物がいると書きましたが、
ボクが一番最初に共感したのは、「自分に才能などない」と痛感した選手です。
それでも監督は、その彼を試合に使い続けます。
その理由は「できないことを知っているからこそ、数少ないできることを研ぎ澄ませることができる」
「そんな頑張りが才能を凌駕する、それがチームを変えることを期待している」ということ。
ボクのコンプレックスを見事に突いた、
そしてそのコンプレックスは大きな武器に変えることができるという希望を教えてくれました。
これがこのマンガにハマった一番の理由となるシーンでした。

このマンガは変わり者がとにかく多いです。
それは主人公が監督だというだけでなく、選手だけを描いたわけでなく、
クラブチームというもの、サポーターというもの、家族というもの、
「フットボール」というものが繋げたあらゆる人々の人間模様を
丁寧に描いているからだと思います。
だからこそ「普通って一体何なんだ?」と思わせてくれたりもします。
それくらい、どの登場人物も何かしらを抱えているんです。
ボクたち現実世界でも、同じじゃないでしょうか。
こういったリアリティ、人間臭さを感じさせてくれるのも、このマンガの魅力かも知れません。

現在はもう一人の主人公である若きMF(ミッドフィルダー)が物語の主軸になっています。
電撃的に日本代表として選出されたがために大きく乱れた小心者の心情と、
ライバルであり友でもある同期の選手の後押しによって訪れる変化が克明に描かれています。

この選手は設定上20歳。
自分のその頃と重ねてみたら、これまた見事に重なってしまいました。
自分の立ち位置と自分自身との不釣り合いさに苦しんでいたんですね。
ボクは見事にそこで一度潰れてしまいましたが、
達海猛が背負った背番号7を背負った彼がどうなってくれるのか、今はとても楽しみです。
詳しくは言いませんが、20歳の彼に起こる大きな変化が
つい最近の42歳の自分と重なっちゃったのも、なんだか面白いもんだなと。

ついでに言うと、直近で泣いたのはこの辺りです。
登場人物としてとても影薄く描かれていた、彼と同じく小心者な彼の父親が、
誰よりも先に、一番彼の思いを理解していたということ。
誰が物語のキーパーソンになるか全く予測がつかないこと。
これもまた、このマンガの魅力の一つだと思います。

語り始めたら終わらなくなってしまうので最後に一つ。

達海監督は現役選手時代の経験として
「試合中に突然、鳥になったようにゲームの全てが見えた」ということがあったのです。
この視点ってどの世界でも通用する、なければならないものですよね。
口で言うのはたやすいですが、そうなるのはとても難しいです。
でもそうできるように行動し続けること。諦めないこと。
それによって「鳥の視点」で行動できる境地にまで辿り付けたら。
今のボクはそれをとにかく大事にして毎日を生きていると言っても過言ではないです。

もうここまでいったら、GIANT KILLINGはボクにとって、
ただのマンガじゃなくてバイブルみたいなものになっちゃっているかも知れません。
そんなものに偶然出会えたのは、きっと必然だったわけで、とても幸せなことだと思っています。
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