思いがけない出会いと別れ

初めて川崎にやってきた日曜日の朝。
車の中で受信状態のいいラジオ局を探している途中、
思いがけずチューニングしたのがFMヨコハマでした。
そしてこの番組がスピーカーから流れてきました。
素直にいい声の人だな、優しいおしゃべりをする人だな、と思っていました。

先週、今井洋介さんが亡くなられました。
まさか、この人がそのラジオでしゃべっておられる人だとは、思いもしませんでした。

テレビをあんまり見ないボクは、
彼を世の中に知らしめたと言われる「Terrace House（テラスハウス）」は
番組名こそ知っていたものの、見たことはありませんでしたから、
彼の存在自体も全く知りませんでした。
つまり、ラジオが最初の出会いだったんです。

肩肘張らない素直な語り口に
「あぁ、そんなに気合入れ過ぎなくてもいいのかな」って思ったんです。
でも、部屋ではFMヨコハマの電波状況が悪くて、
それから一度も聴いていませんでした。
もちろん、Radiko（ラジコ）でも聴けたんですけど。
で、偶然先週そのラジコで、思い出したように聴いたら、
その事実を知った訳です。
最初の出会いが、最後だったんです。

ラジオが大好きなんで思うことなんですが、
声や語り口はその人となりを正直に表現するものだと思うんです。
ましてや生放送ともなると、編集なんてできませんから、
言葉の選び方一つで、誤解や批判を受ける可能性だってあります。
彼は、そういう意味で抜群の才能を持っていたと、ボクは思います。
これからヘビーリスナーになるかも知れなかったのに。
でも、そうなる前に別れたことがいいこともあるのかも知れません。
もっと情が移ってどうしようもなくなりますから。
たった一回、たった十数分番組を聴いたボクがこんなこと思うんですから、
リスナーだった方、関係者の方々の悲しみは、相当だと容易に想像できます。

先週の同番組で、代行のパーソナリティの方が
「きっといい波を探しに何処かに出かけているんですよ」といったことを話しておられました。
そうですね。きっとそうなんだと思います。
いい波に乗って、素敵な写真を撮って、思いのままに歌を口ずさんで。
今日ももうすぐ、その時間がやってきます。
いつも通りスタジオに来て「どうしたの?」なんて思っていたりして。
少しニュースが落ち着いたので、今日書いてみました。

まだまだこれからの人で、数少ないチャンスを手にしただけに、残念です。
ボクたちは、いつどうなるか分からないんですよね。
生きているだけで、明日もいい日を迎えることができる。
そして明日を変えることができる。
そんなことを、彼は教えてくれた気がします。

【訂正】
朝9時の放送スタートのような書き方をしましたが、
正しくは朝6時からの途中に別番組を挟んで、8時、9時に再開する
合計4時間の生放送でした。

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