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「武士の献立」を見て [My Favorites]

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今朝、「武士の献立」を観に行った。
よかった。

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江戸時代、加賀藩に実在した「包丁侍」舟木伝内その人と、
伝内の残した献立集「料理無言抄」、そして時代背景とを織り込んだ作品。

かつて能登・金沢を旅行し、
食べ物の美味しさに感動した自分、
ましてや、旧家等に観光に行くと、
台所などをまじまじと見てしまう、料理好きのボクにとっては、
観ずにおかないわけがない。

武士ものの映画としては、斬り合うシーンは一切出てこないが、
非常に凛とした空気が全編にわたって流れ続ける、素晴らしい作品だった。

主演の春を演じる上戸彩は、確かに姉さん女房にしては可愛過ぎるし、
高い声質が、時代劇には不釣り合いな感も否めなかったが、
ところがその弱点が、甲斐甲斐しく、夫に、そして家族に尽くす懸命な姿にむしろ映り、
非常に好感度が高かった。

春の夫であり、包丁侍となることを余儀なくされた安信を演じる高良健吾もまた、
今時の若者らしい、イヤな時に出てくる「え~?」といった表情も、自然体で映り、
一方で、真剣な表情の際に見せる鋭い眼光にも、非常に惹かれた。
同作の中で、最も心が揺れ動く役どころを演じた彼なのだが、見事演じきった。
素晴らしい、いやこれから更に素晴らしくなっていく俳優だ。

舟木伝内を演じる西田敏行の、春に対する穏やかで優しい眼差し、
そして余喜美子演じる、ちょっと天然な、でも家族思いの伝内の妻・安信の母。
これもまた、ほんわかとした温かさもありながら、
武家社会ならではのキンと張りつめた空気感をしっかり捉えて演じられている。
その他の俳優陣も、とても丁寧な演技をなさっており、いい映画だと思った。

個人的には、雨の夜、雨音だけが響く部屋を訪れた春と、
饗応の宴の調べものをする伝内との何気ない場面が、
ほのぼのとしていて、素敵に映った。

そして、饗応の宴で、料理を食べ進むうちに、
次第と和やかな雰囲気になっていく、諸大名の雰囲気が、いやぁ、よかった。
饗応料理のような「勝負」の料理だけではない。
普段の料理でも、食べてくれる人の笑顔、そして「美味しかった」の一言が、
作る物にとっては、何よりも嬉しいのだ。
そして、そんな和やかな雰囲気にしてくれる魔法が、美味しい料理なのだ。
それは、現在の連続テレビ小説「ごちそうさん」にも、言えることだが。

「釣りバカ日誌」シリーズを手掛けた、朝原雄三監督の作品。
料理についても、時代背景についても、シーンの撮り方においても、
非常に丁寧に作られた、良質な作品と感じた。
饗応料理用の食材探しでの能登の風景も、美しい。

何より、ラストがまさかの展開で、どうなるのよと思ったが、
ハッピーエンドだったので、よかったよかった。

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そして、Tジョイ出雲で同作おすすめとして販売されていた、
贅沢カカオのチョコレート。
マシュマロを入れてもらって、映画と同様、ほっこり。
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コメント 2

cocoa051

ボクも観ました。
いい映画でしたね。
by cocoa051 (2013-12-23 17:52) 

はらぼー

「cocoa051」さん、こんばんは。
ご覧になったんですね。
ボクにとっては、期待を裏切らず、ホントに、いい映画でした。
by はらぼー (2013-12-24 00:02) 

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